今回のバージョンアップでSideQuestの出来がかなり極まってきた感がありますが、やはり英語ベースなせいかトラブって投げてしまったり細かい機能の使い方がピンと来なかったりして、簡単な機能しか使っていないような声をよく聞きます。
筆者も詳しく教えて欲しい箇所がいくつかあるのですが、結局誰もそこまで突っ込んでまとめてくれないので、今回はSideQuestの細かい部分について書いて行きたいと思います。
使用したバージョンは「0.4.1(一部0.4.2や0.5.1)」になります。ビートセイバーのカスタム曲導入に関しては過去記事にまとめてありますのでそちらをご覧ください。該当記事はすぐ下の「SideQuestのインストール ~」項目から飛べます。
- SideQuestのインストール ~ Questの接続まで
- SideQuestの初期化(旧バージョンを使用していた方)
- 機能1:APKファイルのインストール
- 機能2:登録されているアプリのインストール
- 機能3:Installed Apps
- 機能4:Files
- 機能5:Device Settings & Tools
- 機能6:テーマの変更
- Open Debugger
- 最後に
SideQuestのインストール ~ Questの接続まで
このへんは過去記事で紹介済みなのでこちらの記事をご覧ください。
SideQuestの初期化(旧バージョンを使用していた方)
このツールが使用するフォルダは「本体」と「ビートセイバーパッチ&バックアップデータ」の2つに分かれていて「本体」を更新しても「(略)データ」はそのまま残って使用し続けることができるように設計されているのですが、これが原因で新しい本体との整合が取れずに動作がおかしくなることがあります。
このトラブルを避ける為に、バージョンアップした本体を使う時は古いフォルダを参照しないようにした方が良いです。
隠しファイル・フォルダを見えるようにする
SideQuestのデータフォルダはエクスプローラの初期設定では見えなくなっています。エクスプローラの設定を変更してフォルダを見えるようにしましょう。

SideQuestフォルダをリネームする
データフォルダは「C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\SideQuest」になります。フォルダを削除してしまっても良いのですが、とりあえずフォルダ名にアンダーバー等を付け足して参照できなくします。
この作業を行う時は、SideQuestを終了しておきましょう。


この状態で使ってみて問題無ければ、リネームしたフォルダから必要なデータだけコピーして戻していきましょう。
機能1:APKファイルのインストール
SideQuestのウィンドウにapkファイルをドラッグアンドドロップすると、そのapkファイルをインストールすることができます。とても簡単です。



OculusGoなどのDMMアプリなんかをインストールすると幸せになれるかもしれません。
機能2:登録されているアプリのインストール
SideQuestにはいろんなアプリが登録されていて、これらを簡単にダウンロード・インストールすることができるようになっています。
VR Games VR Apps Android Games Android Apps NSFW
各アプリの下にある「MORE」をクリックすると詳細画面に入ります。
VRゲームやサイドロード版VirtualDesktop・ALVR・VRidge等のVRストリーミングアプリ、万能メディアプレイヤーのKodi、エロプラットフォームのSLR等、多種多様なアプリがあります。これからもどんどん追加されて行くのでしょうか。こっちも楽しみですね。
Jigsaw 360
QuakeQuest
機能3:Installed Apps
この画面ではQuestにインストールされているアプリに対して様々な操作を行うことができます。今回はビートセイバーを例にしてみます。

こんなウィンドウが出てくるので項目ごとに書いて行ってみます。
FORCE CLOSE APP
Questでアプリが実行されていたらアプリを終了します。スリープモードに入っていると上手く動作しません。
CLEAR APP DATA
セーブデータを削除してアプリを初期状態に戻します。ちなみにビートセイバーのカスタム曲はアプリ扱いなので削除されません。
UNINSTALL APP
アプリをアンインストールします。ボタンを押したら即座に実行されるので注意してください。
OPEN BACKUPS
PCにバックアップしたアプリ・セーブデータが保存されているフォルダを開きます。いらないファイルはこちらから削除しましょう。
データーは「C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\SideQuest\backups\com.beatgames.beatsaber」に保存されています。
BACKUP APK FILE
アプリをPCに保存します。アプリはAndroid標準のインストールパッケージ「apk(アンドロイドアプリケーションパッケージ)」ファイルとして保存されるので、他のAndroid端末にインストールすることができます。
ビートセイバー以外で複数保存することは無いと思いますが、複数保存されている場合は下が新しいファイルになります。

アプリは「Backups」下の更新ボタンを押してインストールし直すことができます。先にアンインストールしておく必要はありません。
apkファイルは署名されており、カスタム曲を入れる等の改変をして署名が変わってしまうと元に戻せなくなります。その場合は「UNINSTALL APP」でアンインストールした後にapkファイルのドラッグアンドドロップ等でインストールし直してください。

BACKUP SD CARD DATA
アプリのセーブデータを保存します。複数保存されている場合は下が新しいデータになります。

セーブデータはフォルダにまとめられ、保存する度にフォルダが増えていきます。
機能4:Files
この画面ではPC・Quest間のファイルコピーやQuest内のフォルダ作成ができます。この機能はエクスプローラーよりも強力で、エクスプローラで上手く動かない時でも、こちらならほぼ問題無くコピー可能です。

ファイルのダウンロード
Questで保存したビデオショットをPCに保存してみます。これらは「Oculus」フォルダに保存されています。


ファイルのアップロード
ドラッグアンドドロップでファイルをアップロードできます。フォルダと名前に全角文字が入っているファイルはアップロードできません。v0.6.0から複数ファイルのアップロードが可能になりました。



右下の「+」ボタン
右下の「+」ボタンからはファイルのコピー(アップロード)とフォルダの作成ができます。

ファイルのコピー(アップロード)
ファイルのコピーは「開く」ウィンドウから選択します。こちらもフォルダと名前に全角文字が入っているファイルはアップロードできません。v0.6.0から複数ファイルのアップロードが可能になりました。
まぁ、単純にドラッグアンドドロップで行った方が早いと思います。
ファイル・フォルダの削除
Version: 0.4.2 からファイルの削除、0.5.1からフォルダの削除もできようになりました。
フォルダの作成
フォルダの作成もできます。こちらは全角文字が使用できます。
機能5:Device Settings & Tools
右上のスパナアイコンでデバイス設定等の画面に来ます。
いくつか試してみましたが、筆者のQuestでは上手く動かないものばかりでした。これから対応されて行く機能なのでしょうか?
ピンと来ない機能もあるので、Google翻訳も一緒に載せておきます。
SideQuest Folders
ボタンを押すとツールやバックアップが入っているフォルダが開きます。
「OPEN MAIN APP FOLDER」ボタン
C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\SideQuest
「OPEN APK BACKUP FOLDER」ボタン
C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\SideQuest\backups
「OPEN ADB FOLDER」ボタン
C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\SideQuest\platform-tools
Pavlov Audio
現在αテストしてる「Pavlov VR」にボイスチャット機能を追加するもののようです。「Pavlov VR」のインストーラー内にも同じ機能を追加するバッチファイルがあるのですが、筆者の環境ではどちらを使っても動作確認がとれませんでした。
正直、SideQuestがこれをサポートしてることが驚きですね。
Chromatic Aberration
色収差 これは色収差を有効/無効にします。
色収差の設定のようです。確かにwikiの写真のように色がズレて見える時がありますね。
Paste Text to your device
デバイスにテキストを貼り付ける ヘッドセットにフォーカスのあるテキスト入力フィールドがある場合は、ここにテキストを貼り付けるか入力して、ヘッドセットにSideQuestでテキストを入力できます。長いパスワードには、仮想キーボードで入力する必要はありません。
Questコントーラーで長い文字列を入力するのは大変なので、PCから文字列を送信してカーソル位置にペーストできる機能を作ってみたようです。とりあえずブラウザのURL欄で試してみましたが、筆者の使い方が悪いのか最初の一文字しか送れませんでした。(‘yahoo’なら’y’だけ)
Set FFR ( Fixed Foveated Rendering ) level
これは、各目のビュースクリーンの外側の端でビューがどのようにレンダリングされるかを変更します。高いほどパフォーマンスが良く、低いほど品質が良くなります。
負荷軽減の為、低解像度で描画されている画面端の解像度を「OFF ~ HIGH TOP」の5段階に変更できます。
画像の右上に注目すると分かりやすいですね。「OFF」がFFR無しの状態で画面の端まで綺麗に描画されています。
ロボリコとMOSSで試してみたところ、ゲーム中でもボタンを押した瞬間にリアルタイムで適用されていました。
Set CPU and GPU level
これにより、2Dアプリとゲームのパフォーマンスが向上します。
CPUとGPUの動作レベルを変更してパフォーマンスを向上できるようです。
Default Texture Size
これにより、ゲーム内テクスチャのいくつかのレンダリング品質が変わります。
テクスチャの解像度を上げることができます。512 ~ 3072まで7段階に設定できます。
Capture Video Bitrate ( Go Only )
これにより、Oculus Goでキャプチャされたビデオの品質が向上します。
録画機能の品質を上げます。5 ~ 25MBPSまで3段階に変えられ、25MBPSにするとかなり映像が美しくなりますが、そのぶん容量を多く消費するようになります。OculusGoのみ。
Video Recording Resolution ( Go Only )
これにより、Oculus Goでキャプチャされたビデオの解像度が上がります。
ビデオショットの解像度を1024 ~ 1536まで変更できます。解像度を上げるとそのぶん容量を多く消費するようになります。OculusGoのみ。
Destroy The World
すべてのゴブリンを解放し、人類の未来を危険にさらすためにこれをクリックしてください。 こんなことしないで!
左に表示されているModsとNSFWのタブを隠す。ただそれだけ。
QuestSaberPatch Troubleshooting
この画面の右側にはQuestSaberPatch(以前からSideQuestにあるビートセイバーカスタム曲追加機能で、BeatOn機能ではありません)が上手く動かない方へのトラブルシューティングが書いてあります。
QuestSaberPatchにBeat Sabreをパッチするのに問題がありますか?あなたが一人ではないことを心配しないでください。パッチ適用プロセスはかなり複雑であり、物事はうまくいかない可能性があります。ありがたいことにあなたができることがあります!
説明に合わせてバックアップボタンやパッチのリセットボタンが配置されています。恐ろしく親切です。
筆者も分かる範囲で追記してみます。
Scenario 1
これらのエラーがありますか。 ( System.ApplicationException: Either the 'levels' or... ) ( System.IO.FileNotFoundException: Could not find file... ) ソングパックファイルをリセットするには、このオプションを選択します。ファイルパスに特殊文字が含まれていると、パッチが失敗する可能性があることにも注意してください。ユーザフォルダのパスにその中に特殊文字またはその他の特殊文字が含まれている場合は、SideQuest用にPC上で別のユーザアカウントを使用する必要があります。 「RESET PACKS」ボタン
下のエラーはWindowsのユーザー名が全角日本語を使用している為に、SideQuestのフォルダパスが文字化けしてファイルを指定できない時に出るエラーです。これは半角英数字のWindowsユーザーを作り、そっちのユーザーで作業すれば回避できます。
Scenario 2
これらのエラーがありますか。 ( Error: Command failed:... ) ( System.ApplicationException: Could not find... ) ( LibSaberPatch.SerializedAssets+ParseException:... ) ( Ionic.Zip.ZipException: Cannot read that as a... ) 次の手順でこれらのエラーを修正できます。それらは最も簡単なものから最も難しいものまで順番に並べられています。各ソリューション間で曲を同期するようにしてください。
これらのエラーが出た場合は、下の3つの解決法を試してみようとのこと。
– Solution 1
作業中のドラフトAPKをクリーンマスターバックアップにリセットします。 「RESET PATCHED TO MASTER」ボタン
– Solution 2
新しいマスターコピーをバックアップします(これにはヘッドセットにビートサーベルのクリーンコピーが必要です。確実にわからない場合は、解決策3に進んでください)。 最初: 「BACKUP NEW MASTER」ボタン その後: 「RESET PATCHED TO MASTER」ボタン
– Solution 3
これは上記と似ていますが、いくつかの追加ステップが含まれています。 最初: Beat Sabreをアンインストールします(アプリの上のアプリアイコンを使用)。 その後: ヘッドセットを装着し、Oculusストアから再インストールします その後: 「BACKUP NEW MASTER」ボタン その後: 「RESET PATCHED TO MASTER」ボタン
「Installed Apps」画面でビートセイバーをアンインストールして、Oculusストアから再インストール。その後、素の状態のビートセイバーをバックアップしてパッチのリセットをすると言う説明です。
Other Beat Saber Actions
「SELECT NEW MASTER」ボタン 「REDOWNLOAD PATCHER」ボタン 「OPEN SONGS FOLDER」ボタン 「OPEN QSP FOLDER」ボタン
- ビートセイバーを保存する
- パッチを作るプログラムをダウンロードし直す
- カスタム曲が保存されているフォルダを開く
- パッチを作るプログラムが保存されているフォルダを開く
このトラブルシューティングではランタイムの事が書かれていませんが、下記のページの「.NET Core」と「.NET Framework」のランタイムがインストールされている必要があります。これらはWindows Updateでもインストールされると思いますが、どうしても動かない方はこちらを手動でインストールしてみてください。

このページにある「Visual Studio 2019 の Microsoft Visual C++ 再頒布可能パッケージ」もひょっとしたら必要かもしれません。上の2つを入れても動かなかったらこれも入れてみて下さい。
「その他のツールとフレームワーク」→「Visual Studio 2019 の Microsoft Visual C++ 再頒布可能パッケージ」→「x64」→「ダウンロード」

筆者はこれらのランタイムを入れたWindows7の64bit版でも動作を確認しました。(最新の状態までWindows Updateをする必要があります)
ちなみに32bit版の場合はWindows10でも動きません。今でも無料でアップグレードできるようなので、32bit・Win7・Win8.xの方は素直に64bit版のWindows10に移行した方が良いでしょう。
機能6:テーマの変更
右上にある太陽・月のアイコンをクリックすると背景色が変わります。
背景色は明・暗の2種類に切替えられます。個人的には暗い方が見やすいです。
Open Debugger
右上にある虫のようなアイコンをクリックするとデバッガが開きます。これはSideQuest開発用の画面なのでいじらないでください。間違えて押してしまったら右上の「×」ボタンでデバッガを閉じましょう。

最後に
SideQuestが登場してからもうすぐ一カ月になりますが、この短期間でここまで完成度を上げているのはホントに凄いと思います。このアプリとVirtualDesktop・ALVRが無かったらQuestはここまで盛り上がってはいなかったでしょう。今まさに波に乗っている感があります。
VIVE Cosmosなどライバル機の情報もチラホラと見かけるようになってきましたが、Questの勢いはこのまま続いて行くのでしょうか。しばらくは目が離せそうにありません。
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